ケロミの業務日誌
2023.11.13
入金時に振込手数料が控除されていた場合に、会計処理で気を付けること
11月になりました。はて、秋はいつやってきて去っていったのか。今年も気付いたら冬になっていそうです(まだ秋?もう冬??)
今回は売上の入金があった際に振込手数料が控除されていた場合の会計処理についてお話しします。
インボイス制度の開始に伴い、振込手数料を買手負担とするお願いの文書も見かけるようになってきましたが、皆さまのところはいかがでしょうか?
文書を出したとて、振込手数料を差し引いた金額で入金してくる取引先もあると思います。そんなときの振込手数料の会計処理は、3パターン考えられます。
パターン1 支払手数料(課税仕入10%)
パターン2 売上値引(課税売上の返還)
パターン3 支払手数料(課税売上の返還)
まずパターン1の場合では、仕入税額控除を適用するためにインボイスの受領が必要になります。
今まではこの処理をしていた方が多いと思いますが、手数料の消費税処理のためにインボイスを発行してもらうのは現実的とは言えません。
続いてパターン2と3の場合ですが、これらは本来ならば返還インボイスの発行が必要です。
しかし令和5年度の改正により、税込1万円未満の売上返還については返還インボイスの交付義務が免除されることとなりました。
パターン1を思うと手数が少ないですが、消費税区分に注意が必要です。
なんとこの差し引かれている手数料550円などは、売上げに対する値引きとして捉えられるため、消費税区分を「課税売上の返還」とします。
この「売上げに対する」という部分が肝で、例えば食品などの軽減税率8%が適用される課税売上げであれば、振込手数料550円についても軽減税率8%の値引きとして処理をします。
10%と8%の売上げが混在している場合の振込手数料の税区分は、その売上げ金額を基に合理的な割合で按分するなどが考えられます。
国税庁HPにもQ&Aなどの掲載があるので、ご確認ください。
「インボイス制度に関するQ&A目次一覧」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/qa_invoice_mokuji.htm
「少額な返還インボイスの交付義務免除の概要」
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/kaisei/202304/03.htm